2003年10月15日〜17日に有明のビックサイトで行われた第30回国際福祉機器展に行って来た。14か国630社の参加で、25,000点が展示され、広い会場に世界の福祉機器情報が満載だった。丸一日見て回った後はもらって来たパンフレットの重さも響いてクタクタ。それでも私の担当したのは半分のフロアで、内容は「建築・住宅・施設用設備」「日常生活用品・トイレ用品
・おむつ用品」「入浴用品・コミュニケーション機器・在宅施設サービス経営情報システム」の3つのブースに大別できる。
毎日朝起きてから、夜寝るまで当たり前に生活している中で当たり前に使って来たものが、なるほどっと思わずつぶやいてしまうような、アイデアでデザイン化されており、普段、福祉情報に馴染みのない私でも、とてもおもしろく勉強になった。
【ユニバーサルデザインとは・・・】
先の文章でユニバーサルデザインの一般的な定義みたいなものを書いた。高齢者や障害のある人に使いやすくデザインしてるものは、当然普通の人にも使いやすいはずだ。けれども、誰もがみんな使いやすいデザインというものはなかなか存在しないのではないかとも思う。であれば、ある程度使う側が選べるようになっているといい。例えば、身近な携帯電話。通話機能だけのシンプルでかつ押しやすいボタンのものと、ハードユーザーのためにフルスペックで機能満載
なもの、というように何段階かにユーザーを想定して商品開発をする。福祉機器に テーマを変えても同じことで、例えば補聴器。着けてることをなるべく知られたくない人には、肌と同じ色の補聴器を、子供やおしゃれを意識する人にはカラフルなデザインのものを。大切にするべきなのは、障害者や高齢者が生きて行く上で尊厳を保っていけること。王様のアイデア的な意表をついたデザインのものは、たとえ機能が良かったとしても人前では使いたくないかもしれない。できるだけ普通のものを使って、自立して生きていけることが、何よりも大切なことなのでしょう。誰にでも優しいものをと考えていきついたデザインのものも、逆に言えば、体を軟弱にしたり、子供にとっては過保護であることも考えられる。そうなると、ユーザー側でも、自分の使いやすいものを自分で見つけていく目を持っていかなければならいでしょう。グッドデザインが必ずしも自分にはグッドデザインではないのですら・・・。